大阪市北区の裁判所すぐそばの法律事務所、和輝法律事務所です。
毎月の勉強会で気になった判例をご紹介していますが、今日は納車当日の事故で評価損が認められた判例についてご紹介したいと思います。
1 評価損について
買ったばかりの車で事故に遭ってしまい、修理が可能であっても車の価値が落ちたのではないかと考えることは少なくないと思います。このような事故当時の車の価格と修理後の車の価格との差額を「評価損」と言います。
「評価損」には、①技術上の評価損と、②取引上の評価損とがあるのですが、ここでは②の「評価損」を取り上げたいと思います。
②の取引上の評価損とは、
車の修理をして原状回復がされ欠陥が残存していない時でも事故歴(修復歴)を理由として中古車市場において価格が低下した場合の損害を言います。
2 修理費用の20%の評価損を認めた判例
(名古屋地方裁判所判決/令和元年(ワ)第3574号、令和元年(ワ)第4810号、令和3年(ワ)第1688号[ 判決日]令和3年12月24日)
【事案の概要】
原告は、走行距離にして200㎞の車(三菱アウトランダーPHEV)で、
納車当日(初度登録からも5日しかたっていない)に事故に遭い、リアバンパーの取替えやテールゲートパネルの取替えがされた事案です。
【原告の請求と裁判所の判断】
車の所有者である原告は、修理費用167万1548円の6割に相当する約100万円の請求をしました。
修理費用の額についても争われましたが、裁判所は修理費用を40万1328円の限度で認め、修理費用の20%に対する取引的評価損約8万円を認める判断をしました。
以上です。
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